ここ数年来難しかったのですが、この度、わたしが尊敬するチベット研究者である張平平先生に、山口までお越しいただきました。彼女はチベット地域における家畜であるヤクの糞に関して主に研究しております。
つい先日、チェコ・プラハでの国際会議を終えたばかりでしたが、張平平先生に山口大学にお越しいただき「アジア・アフリカ・オセアニア民族誌講読」の授業、および大学院の授業にてご講義いただきました。たっぷり牛糞で90分!×2。非常に興味深い内容でした。張平平先生のご講演を聴いていて、基礎データの重要性に改めて気づかされました。自分にとっては当たり前すぎるデータこそ講義では面白いのかもしれません。専門性が高まれば高まるほど、基礎的な情報は当たり前すぎて説明不足になりますが、その基礎情報が意外と重要なのかもしれないと考えさせられました。
牛糞というと、肥料にしか使われないというイメージがあるかと思いますが、チベットにおいては超重要なモノです。それは燃料であり、資材であり、儀礼用の「道具」であり…さまざまな用途に使われます。また牛糞といっても、オスの牛糞、メスの牛糞、交尾前後のメスの牛糞、生育状況、季節などなど異なった様相を見せ、それを見分けなければいけません。
牛糞の写真は左上から時計回りに、塩分補給のため砂を食べた牛糞、生後すぐの牛糞、母乳のみの牛糞、成オスの牛糞(秋)、1.5歳くらいのメス?成メス?の牛糞(ここは自身がありません…)、交尾前のメスの牛糞、となります。これに加えて季節や体調、人間による加工などもあり。圧巻の牛糞のリテラシー教育が続きます!素晴らしい!
懇親会は山口市のはずれの、菜香亭で50畳を貸し切って行いました。ソーシャルディスタンスではないですが、せっかく山口までお越しいただいたので、山口の西京っぽい雰囲気で行いました。手伝っていただいた研究室の皆様には本当に感謝です。
張平平先生、なんと山口にいらっしゃる5日前に、電撃結婚をされていたとのこと!こちらも驚きで、常にいろいろと刺激的な方です(笑) 今回の菜香亭の宴はそのお祝いもかねて行われました。素晴らしい研究者と交流できて、わたくしも研究室も大変多くのことを学ばせていただきました!
そんな日々是好日です。