わたしが日々使っているモノは、熟考を重ねたうえで手に入れることが多いです。モノによっては数年くらい考え続けてから買ったり、買わなかったりします。そんな話を人にすると、驚かれたりもするのですが、どうやらモノに対する思い入れが強いのかもしれません。ここではそんな語りたくなる愛用品をお話しします。

わたしが移動中愛用しているものに、ソニーのヘッドフォン(WH-1000XM)があります。これはシリーズもので、わたしはWH-1000XM3から愛用しています。現在はWH-1000XM5まで出ているようですが、わたしはWH-1000XM3とWH-1000XM4を使っています。昔から移動中に音楽やラジオなどを聴くのが好きだったので、このポータブル音響機器に関しては、まったくお金を惜しみませんでした。それで、結局「小さな音」を音量を上げずに聴きたい、という要望を満たすべく、ノイズキャンセリングヘッドフォンにたどり着いた感じです。

WH-1000XM3が発売されたのが、2019年ですから、かれこれ5年以上、ハードに使い続けております。これをつけることで、騒がしい都会のカフェも、飛行機のなかも、ディーゼル列車のなかもステージになったり、映画館になったり、図書館になったりしてくれます。もう春夏秋冬、あらゆる季節で使い倒してきたので、イヤーパッドの部分がボロボロになっております。

そしてこちらがWH-1000XM4になります。形はあまり変わりませんが、少し重量が軽くなったようです。つけた感じがWH-1000XM3より軽い印象です。こちらは職場で使っており、出張や外に出て使う場合はWH-1000XM3の方を引き続き使ってます。いずれも遜色なく動いてくれてます。ノイズキャンセリングも、いろいろなバランスを考えて最適なものだと思います。

まだ使用頻度がWH-1000XM3ほどではないので、イヤーパッドもまだまだ美しい状態です。コロナでオンライン会議などが増えた際にはかなり活躍してくれました。今でもオンライン会議ではこちらを多用しております。それにしても音量を上げる必要がなく、音が聴こえるというのは、本当にストレスがなくて助かります。

移動中はBluetoothでiPhoneにつなげて音楽や映画を視聴したりしますが、たまにバッテリー残量がないことがあり、その際は、前回お話した道具(031:LUMENA2)をつないで充電します。写真はガラガラの山口線(ディーゼル線)の車内で給電している様子。
ヘッドフォンというと音楽を聴くための道具と思われる方もいるかと思いますが、個人的に音楽はヘッドフォンではなく「生音」で聴くもの、と考えております。というのも音楽は耳だけで聴くのではなく、和太鼓の演奏のように身体で感じたり、またその音楽が奏でられている場所の反響(壁、風、屋外、温度、湿度など)を含めて聴くものだと考えております。つまり、耳だけで聴くものをわたしは音楽だと考えていないということになります。なのであくまでもヘッドフォンは音楽を楽しむためのものというよりも、静寂を作ったり、BGMを流したり、音声を聴いたりするものとして利用しております。なのでSONY WH-1000XMは、耳だけでしか音楽を聴けないので、音楽それ自体を楽しむというよりも静寂を享受するという意味で使っていたりします。
わたしにとって日々の暮らしを支えてくれている愛用品のひとつです。