027:馬路ずしの素

 わたしが日々使っているモノは、熟考を重ねたうえで手に入れることが多いです。モノによっては数年くらい考え続けてから買ったり、買わなかったりします。そんな話を人にすると、驚かれたりもするのですが、どうやらモノに対する思い入れが強いのかもしれません。ここではそんな語りたくなる愛用品をお話しします。

 

 

 ここ数年、とても気に入って何度もリピートしている「すし酢」があります。「すし酢」なんてどれも同じだと思うかもしれませんが、馬路村の「すし酢」はゆずの香りが芳醇で、とてもおいしいのです。またそれが米の味を引き立ててくれます。馬路村は高知県の山間部にあるようで、いわゆる江戸前の握りずしとはちょっと違う、ちらし寿司系のお寿司の素と考えた方がよいです。名前は「馬路ずしの素」。柚子の香りが苦手な人、あるいは江戸前のお寿司としてのみ、すし酢を使いたい方にとっては、好き嫌いは分かれるでしょうが、わたしの家族はこの「すし酢」が大好きなので、とにかくあっという間になくなります。

 

 

 なんとこの馬路村のすし酢、ふるさと納税でも「返礼品」として入手することができ、毎年のようにリピートしております。とにかくわが家にとっては欠かすことができない常備品となっております。この馬路村のすし酢、何がそんなにいいかというと、もちろん、おいしいというのもあるのですが、刺身がなくても十分に楽しめるというところがポイントです。

 すし酢といえば、刺身があってこそのすし酢というイメージがあるでしょうが、この馬路村のすし酢に関しては、ゆずの香りが豊かなので、お魚の刺身がなくても、否、お魚の刺身というよりも山の幸の方が、おいしくいただける感じがするのです(もちろん刺身と一緒でもおいしいですが)。つまり「スイーツ」としてのお米を、いろいろな形で楽しめるという意味で、非常に完成度が高い調味料になっているのです。

 

 

 お寿司というと新鮮なお刺身と一緒に食べるというイメージがあるかもしれませんが、そもそも、お米自体が日本社会にとっては重要な「スイーツ」ですし、栄養源です。そしてそれはお魚と一緒でなくとも十分においしくいただけるものなのです。いわゆる「助六」ではないですが、かんぴょう巻、かっぱ巻、お稲荷さん、などはお刺身とは無縁のお寿司のジャンルですし、それはそれで非常に家庭料理としてはよいです。

 わが家でこの「馬路ずしの素」を使うときも、たいていは助六的なお寿司として利用してます。魚だけがすしネタになるとは限りません。シイタケだっていいし、レンコンだっていいし、かんぴょうだっておいしいです。そんなわけで、お刺身がなかったとしても、ブリコラージュ的にお寿司が作れる「馬路ずしの素」は本当に重宝しております(そして…お刺身よりかはリーズナブルな価格で家庭のお寿司を楽しめます)。

 

 

 送られてきたレシピ案にのっていましたが、、こちらは炊き立てのご飯に「馬路ずしの素」、鮭フレーク、いりごまを加えたもの。これだけで十分においしい「お寿司」ができるわけで、お刺身だけがお寿司の特権ではありません。加えて「ふるさと納税」でも、この「馬路すしの素」が手に入るので、本当にありがたく使わせてもらっております。食べ盛りの子どもたちの腹ふさぎという意味でも優秀です。

 

 わたしにとって日々の暮らしを支えてくれている愛用品のひとつです。