34歳で山口県に移住するまで、日本における生活はほとんど東京で送っていました。ですので、日本のことを考えるときは、東京を中心に物事を見ていた気がします。ただ、あまりに東京という環境が当たり前だったせいか、東京を相対的に見ることができなかった気がします。東京って何をするところなのか、何が東京なのかもよくわからず生活していたそんな感じです。
ただ、東京を離れたことによって、改めて東京の面白さやよさに気づいたりして、東京を再発見できているような気がします。なんだかんだで東京が実家だったりするので、実家に帰省したり、仕事の用事できたりとかで、年に10回以上は東京に来ているのではないかと思います。
まず思うのは、東京のだだっぴろさ。日本の中でこれほど山が視界に入らない景観ってないと思います。とにかく東京は山がない。なのでだだっぴろく感じます。唯一富士山が遠くに見えるだけなので、富士山が神聖視されるのもわかる気がします。
東京タワーなんていうのも、東京に住んでいるときは一度としていかなかったのですが、山口県民になってから、「お上りさん」よろしく、子どもを連れて行きました。お台場あたりの景色も田舎にはなかなかない景観なので非日常感が味わえて非常に楽しいです。ただ住んでいるときは何にも思いませんでしたが…。
こういう観光地に目が行くのは、まだ東京との距離が離れていない感じで、さらに東京を相対的に見られるようになると、小さいところに気が付くようになります。たとえば、わたしは東京に到着して、電車内の広告で「みすず学苑」を見ると、「あぁ東京にやってきた」という感覚がわきます。わたしだけでしょうか…。
あと居酒屋なんかでも東京を感じます。ホッピーはやはり東京の下町で飲むのが一番おいしいですね。
立ち食い蕎麦も、山口では(おそらく)見たことがありません。
東京に住んでいた時は、当たり前すぎて見向きも、考えもしませんでしたが、東京を離れた今は、またいろいろなものが新鮮に思えるようになり、東京を改めて楽しんでおります。ある程度人口規模がないとできないサービスもあり、それこそが、庶民的な東京の楽しみ方ですね。
もちろん田舎には田舎のよさもありますが、東京は東京でまた素敵。
そんな日々是好日です。