大学における通常業務ももちろんあるのですが、11月もコロナがおさまっているうちに!ということで学外での活動も積極的に行ってまいりました。 学外での活動として民俗調査実習が今年もやっと終盤を迎えました。例年、山口県内を中心に学生が調査を行っているのですが、11月の補足調査でそれもほぼ完了。無事に報告書が出版できるよう、あともうひと頑張りです。
基本的に教員は空気のような存在で、学生が主体的にテーマ、アポ取り、執筆、校正もやります。今回は、調査地において先生も呼んでということで挨拶に伺いました。いつも地域の方々には大変お世話になっており、感謝の念に堪えません。報告書が完成すると、毎年お礼状をもらうことも少なくなく、本当にこういうことは望外の喜びです。
あと、調査といえば人生初のアフリカ・ガーナ出張です。
自分の人生でアフリカに行くことがあるとは思いませんでした。現在、中国の調査地はなかなか行けないことと、自分の調査地の人がアフリカに移り住んでいるということもあり、今回のアフリカガーナ行を決めました。逆、小川さやかさん、ではないですが、アフリカにおける中国人ビジネスを垣間見た感じです。
調査内容としては中国福建省永定県からガーナの首都アクラに移住した①客家の人々の人的ネットワークと②ビジネスの実態、そして③オンライン空間の利用状況について調査するものでしたが、これらの件に関しては、一定程度、必要な情報を集めることが出来たと思います。
①にかんしては、個人渡航の場合、親族と同級生ネットワークが非常に重要であり、福建省の福清などの場合は町ぐるみで集団として活動していることがうかがえました。しかし、現在は個人渡航が増えており、それを可能にしているのがオンラインでのビジネス取引であることがわかりました。
②主なビジネスは大規模なものであれば、中国の大規模資本による高速道路建設などがあるが、個人のインフォーマルビジネスであれば中古の衣料品の売買が主たるビジネスとして定着しています。1度で1万着以上の古着や靴を海運で運び、現地で販売しています。
③オンラインサービスの利用は、これまで不可能であった個人事業主として、複数の中国事業者と取引し、ビジネスを成り立たせていることがわかりました。また現地の情報もこれまでの研究で主に重要であった、中国人現地コミュニティを介さずとも、独自にスマホひとつで収集できる様子もうかがえました。スマホやそれにともなうネット環境がビジネスを変えたといっても過言ではないかもしれません。
いろいろとありましたが、調査以外のことで印象に残っているのは、ガーナまでの旅路がとても遠かったということです。とにかく遠かった。調査ではほぼ中国しかいっていなかったのですが、エコノミーで1日半かけての移動は長いですね。おまけに、現在ロシア・ウクライナ間の問題もあり、ロシア上空を飛行機で飛べないため、遠回りしてヨーロッパに行かなければなりません。これも地味にボディーブローのように堪えます。
人生初のアフリカでしたが、また機会があれば行きたいと思っております。