025:RIMOWA Trunk Plus 90L

 わたしが日々使っているモノは、熟考を重ねたうえで手に入れることが多いです。モノによっては数年くらい考え続けてから買ったり、買わなかったりします。そんな話を人にすると、驚かれたりもするのですが、どうやらモノに対する思い入れが強いのかもしれません。ここではそんな語りたくなる愛用品をお話しします。

 

 移動が多いわたしにとって、スーツケースはかなり重要なアイテムです。国内の1泊2日とかであればリュックで構いませんし、そもそも中国やアフリカへ調査に行くときなどは、スーツケースを持ち運びません。というのも、スーツケースを引いて歩けるような「平ら」な地面がないところに行くことが多いためです。なのでスーツケースは、国内外の学会発表(とは言っても最近はスーツは少ないですが)、あるいは冠婚葬祭、家族旅行などに使ってます。

 スーツケースの選び方は、大きく分けて2種類あって、それは「自分で運ぶ」か「他人に運んでもらうか」です。超高級なスーツケースなどは、自分で運ぶように作られていません。なので空港などで、そうした超高級なスーツケースやビジネスバッグ、有名なブランド名が入った大型カバンなどを、自分で運んでいる人を見ると「うーん…」と思ってしまったりします。そういうものは、自分で運ぶのではなく、誰かに運んでもらうような方、あるいは立場や場面(与えられた役職・役割、自分が主役の式典など?)で使うものだからです。

 一方で、自分で荷物を運ぶ場合は選択肢は多岐にわたります。が、わたしの場合、選択しは2つ。RIMOWAにするか、Globe-Trotterにするか、です。両者ともに、いわゆるキャリーケースの老舗で高級ですが、まぁ一生モノと思えば安い買い物かもしれません。特にわたしの場合は移動が多いので、もうすでに元はとっているような気がします。Globe-Trotterは祖母が亡くなった際のオコボレで、20歳前後で入手することができました。そして家族が増えたいま、断然活躍してくれているのが、RIMOWAのスーツケースになります。

 

 

 冠婚葬祭などの場合、家族全員の衣類や靴などを一気に詰める必要があるので、そういう時にこれは便利です。特に不祝儀の場合は、ゆっくり考えている時間もないので、とにかく詰めこんで即、移動になります。現在使っているものは90Lのものなので、大人2人、子供3人でもどうにか最低限の荷物は収めることができます。

 

 

 昨今のRIMOWA Trunk Plus 90Lは、ケースのふたを閉じる金具が2つのようですが、わたしのものは旧タイプなので、3か所あります。RIMOWAのスーツケースのよさは、なんといってもそのシンプルな見た目。そして取り回しのよさにあります。本当にタイヤがスムースに動いてくれて重い荷物でも楽々運ぶことができます。ただ、このタイヤの部分は実は脆弱なところもあり、一度修理に出したことがあります(でもその際の修理費用は無料だった気もします…)。飽きが来ないデザインなので、どんな状況でもどんな年代でも、長く使えそうです。家族旅行で使うことがメインなのですが、大は小を兼ねるので、子どもが巣立っても末永く使っていきたいと考えております。

 

 

 もともとこのRIMOWA Trunk Plus を買うきっかけとなったのは、家族でフィンランドに行く機会があったからです。これも偶々なのですが、配偶者の方で遠い親戚に不幸があり、既に配偶者の親も逝去していた関係で40万という微妙な額が手元に転がり込んできたということがあったためでした。そのお金をそのまま貯金をしてもよかったわけですが、「まぁ所詮あぶく銭よね」という話し合いの末、RIMOWA Trunk Plus を購入し、自分たちで少しお金を出してフィンランドに行きました。2017年のことです。一番上の子どもは当時4歳、二番目の子どもは妊娠中でした。

 

 

 2024年現在、10歳になった子どもは同じスーツケースを引きずってくれるまでになりました。子どもも3人に増え、やっぱり大きいスーツケースがないと、とてもじゃないですが荷物をまとめきれない状況にもなったので、本当に入手しておいて助かりました。バリバリ現役で頑張ってくれてます。

 ただ…、自宅から最寄りの空港までは車で移動するか、電車ではなくディーゼルで動くローカル線で移動するかなのですが、このRIMOWA Trunk Plus は、見た目が非常にurbanな感じなので、ローカル線に乗せると、なんだかちょっと浮いた感じになります…(笑) あまり背景とスーツケースがあっていないような感じもありますが、長年使っていって、だんだんと表面がくたびれてきたら、それはそれで景色に馴染んでいくのかもしれません。2017年に入手したので、現在のところ7年目。当時は1ドル110円くらいで現在に比べたら破格の安さで購入できたと思いますが、それでも高価な買い物です。一緒にいろいろな思いでつくっていって、まだまだ使い倒していきたいと思ってます。

 

 

 わたしにとって日々の暮らしを支えてくれている愛用品のひとつです。