016:Oさんの竹細工

 わたしが日々使っているモノは、熟考を重ねたうえで手に入れることが多いです。モノによっては数年くらい考え続けてから買ったり、買わなかったりします。そんな話を人にすると、驚かれたりもするのですが、どうやらモノに対する思い入れが強いのかもしれません。ここではそんな語りたくなる愛用品をお話しします。

 

 山口に引っ越したばかりの時は、アパート暮らしだったので、それほどスペースに余裕もなかったですし、生活も落ち着かなかったのですが、引っ越して4年目にして古民家に移住し、少しずつプチ田舎的な生活を送れるようになってきた気がしております(とはいえ、田舎の中の都心に住んでいるのですが)。

 職場以外の知り合いも、イノシシ猟をしている方や、農家の方も多く、今までとは違ったタイプの交流ができて大変勉強になっております。冬はイノシシ猟をやっているOさんは、子どものつながりで家族ぐるみ的な形でお世話になっているのですが、たまにOさんの奥さんにお願いして竹細工をしてもらってます。本当に贅沢な話ですが、完全オーダーメイド。サイズから使い勝手まで。

 

 

 こちらは竹で作ってくれた「お皿」。めちゃくちゃ使い勝手がよいです。ありえないぐらいお手頃な価格で作ってくださるし、また「壊れたら直すよ~」ということで遠慮なく使わせてもらってます。なお彼女はこの技術を習うためにわざわざ島根県の農村部まで「留学」して習得したとか。

 

網目も美しいつくりです。おやつをのせて食べることが多いですが、ちょっとした小物に使えたりします。

 

 

 Oさんの作品は、この竹皿(笊?)だけではなく、さまざまな作品があります。わたしの実家の両親も一度この品を見てから大いに気にいって、彼女にオーダーして果物入れなどを作ってもらっておりました。細かく高さなどもオーダーして作ってもらうのは、本当に贅沢ですね。そして技術(とセンス)を持っている人っていうのはすごいなぁと、素直に尊敬いたします。

 

 我が家で一番活躍しているのは、実はこの竹皿(笊)ではなくて、洗濯籠。こちらもOさんにオーダーをお願いしたら「いーよー」と二つ返事で引き受けてくれました。大物だったのですが、こちらも破格のお値段で譲っていただきました。ありがたいかぎりです。

 こちらは2000年ぐらいから使っているので、もう3年ほどたつでしょうか。洗濯機から出したり、運んだりする際に使っていますが、竹は軽いので本当に助かります。取っ手の部分は革でできているのですが、Oさんが昔使っていた革のバッグをリメイクしたものとのこと。これ以外にも我が家にはOさんの作品があるのですが、本当に技術とセンスに脱帽です。

 

 

 ただ最近、洗濯籠は洗濯籠としてよりも、一番下の子の歩行器具として大活躍しております(笑)歩行器具としてみても、贅沢な品だと思っております。やはり作り手の顔が見える品というのは素晴らしいですし、日常の中の「用の美」といったら言い過ぎかもしれませんが、普段使いとしてこういうものがあるというのは、本当に素敵です。Oさんいつもありがとうございます!そして、またオーダーするかもしれません。

 

わたしにとって日々の暮らしを支えてくれている愛用品のひとつです。