仕事のことをしていると、家族のことを思い起こし、家族と過ごしているときに仕事のことを考えてしまったりします。どちらもやり残している「何か」があるような気がして、時々、仕事だったら「集中力」が途切れたり、家族と過ごしているときに「気もそぞろ」になったりしてしまいます。
どちらの時も心の中に「こんなことしている場合じゃないのに」というような言葉が浮かんだりします。仕事をしつつ、「いましか子ども時代の子どもと一緒にいれる時間はないのに、これでいいのかな?」とか、家族と過ごしつつも、「あの仕事の締切りは過ぎてしまっているのにまだ提出できていない…。本当にこんなことをしている場合なのだろか。うしろめたさしかない」というような情動に苛まれるわけです。
これは本当に不健全極まりない。そして非合理的でもあります。そんなわけで、家族といるときはできるだけ家族だけのこと。仕事の時は、仕事だけのことを考えるように生活するようになってきました。考えても仕方ありません(ただ頭に浮かんではしまいますが)。
せっかく家族と過ごすことができる時間でも、子どもと何をするわけでもなくグダグダと過ごしてしまうことも多いので、この間の週末は、予定をたてて、何をやりたいか決めようということになりました(というかお願いをしました)。というのも、毎度毎度、休日の終わりごろになって、「あれやりたかった」「これをやりたかった」「あれができなかった」というような話を子どもからされてしまうためです。それはわたしにとっても本意ではない。
ということで、週末に何をやりたいか訊いたところ、ティラミスを作って食べたい!という意見がでました。この発案は小学校4年生の長男から。わたしが子どもの時はお菓子作りなんて1ミリも考えたことがなかったのですが、「お菓子は買うものではなく、作るものなのだ」という発想があるというのは素晴らしい!と思い、父子2人でティラミスを作ることになりました。ないものは自分で作る!というのは田舎っこ精神から来ているのかもしれませんが、これはこれでよいと思います。
まずはスーパーで生地を買ってきて、甘く味付けしたコーヒーシロップを浸していきます。生地は二段組になっているので、一段ずつペタペタと塗っていきます。
次にクリームの準備。生クリームを砂糖を入れてかき混ぜて、マスカルポーネチーズを加えます。このマスカルポーネチーズ、なんと300円くらいするのです。2つ使うので合わせて600円也。なかなかお値段がはってしまうのが懐にとっては厳しいところではありますが、この素材だけは欠かすことができません。
生クリームをかき混ぜるのは、少し労力と時間がかかります。それにしても父子でこんな作業をする日が来るとは思いませんでした。わたしの小学生時代を振り返っても、わたしのこれまでの生き方を考えても、スイーツづくりを親子(父子)でするということを考えたこともありませんでした。自分が小学生の時に父親とするかと問われれば、絶対にしなかったでしょう(笑)…。ジェンダー感を挟むのは不適切かもしれませんが、当時のわたしからしてみれば、将来、自分の子ども(男の子)と一緒に2人でスイーツを作ることになるとは夢にも思わなかったわけです。人生何があるかわからないと改めて思います。
ティラミス作りのよいところは、火を使わないところ。めちゃくちゃ便利です。マスカルポーネチーズ、生クリーム、スポンジさえ買ってくれば、あとはどうにか家にあるもので事足ります。家ではココアパウダーを常備してあるので、ココアパウダーは買わなくて済みました。少し冷やして完成です。
見た目は売り物の足元にも及びませんが、味は本当に売り物と同等、あるいはそれ以上においしく感じます。手作りだからか、素材が新鮮なのかもしれません。またココアパウダーも生クリームも贅沢に塗りたくってますし、コーヒー液も十分しみこんでいるので、とてもおいしいのです。ティラミスが「発案」されたのは、20世紀後半のイタリアとのことですが、本当に手軽でおいしくて助かります。
河岸段丘のよううに層になっているティラミスの様子。手作りなので見た目は悪いかもしれませんが、味は本当においしいのです。因みに、息子は一口食べた後、うまい!来週もやろう!と言っておりましたが、家計をマネージメントしている妻からは、その提案がペンディングされておりました…(^^;
そんな日々是好日です。