中古住宅を買って以来、家庭菜園を楽しんでおります。
家庭菜園というか、土いじりというか…農作業は本当にいろいろなことを学ばせてくれます。農作業における「農」という意味だけではなくて、ここまでも副次的に学びがあるとは思っておりませんでした。とにかく学びだらけです。
野菜や果物といっても、ひとつひとつ成長の速度が違うし、品種によって、日当たりや水分など好きな場所が違うし、枯れるかなと思ったら突然、咲きだしたりするし…、とにかく自然は多様です。そして人間を待っていてはくれません。人間のペースに合わせて花が咲いたり、蔓が伸びたり、台風が来たり、雨が降ったりすることはなく、あくまでも自然のペースで植物の生長は進むので(あるいは進まないので)、こちらが合わせるほかありません。
ここのところ、土日は大阪、横浜と出張が続いたので全然農作業に充てられる時間が作れませんでした。そのため、柿が実ってもほったらかしで、どんどん熟してきてしまい焦っておりました。実は出張中も柿のことを考えておりました(笑)。自然は待っていてくれません。
先週の頭にやっと時間を作り、3時間かけて干し柿(60個)を仕込みました。
庭木で火をおこし、鍋で湯を沸かし、皮をむいた柿を浸して干していきます。これを60個やりました。3時間ですと、だいたい60個くらいでいいかなという感じです。事前に採取しておいた柿を縛り、剥き、湯につけた後、干していきます。この単純作業の繰り返し。
自然は待っていてくれない、というと少しネガティブな印象に感じるかもしれませんが、実はそこにはポジティブな面も隠れております。それは手をかけなくても勝手に成長してくれるということです。つまりこちらが何かアクションを起こさなくても、彼ら自身の力で成長し大きくなろうとしてくれるというのがよいのです。
話は少し変わりますが…、睡眠時間というものは、若いころは「一番無駄な時間だ」と思っていたりしました。ですが今は「これ以上に効率的な時間はない」と思うほど、意識が変わりました。睡眠している間も、野菜は成長してくれるからです。わたしが一番労力を使わない時間に彼らは成長をしてくれる。こんな効率的なことはありません。洗濯機も掃除機も食洗器もそうですが、わたしの家では寝ている間に動かします。野菜と一緒です。わたしたちが寝ている間に、彼らは成長してくれる。なんと効率的な事でしょう。
自然は待ってくれないのですが、その自然のペースに合わせるためには、やはり「余白」が必要だと、ここ最近は常々感じております。野菜にしても、学生にしても、子どもにしても、「寝ている間」に成長するのかもしれませんし、「寝ている間」こそ成長するのかもしれません。いろいろなことにもっと「余白」をもって接して、彼らのペースに自分がうまく合わせられるようになれれば、と考えております。まぁもちろん、そんなにうまくいくわけではないのですが…。
そんな日々是好日です。