【其ノ二十二】自治会長

 わたしのなかで2023年度から一番大きく変わったことは何かと問われれば、それは住んでいる地区の自治会長になった(なってしまった)ということでしょう。いわゆる昔でいう町内会長というやつです。町内会長というと、長屋のご隠居がなるようなイメージがあったのですが、どういうわけかわたしが担当することになってしまいました。

 前任者は81歳で、幸か不幸かなんと任期付きではなくテニュアトラック(笑)このままいくとわたしは80歳までこの任務を負わなければいけないのか…?と思ったりもしますが、まぁどうにかなるでしょう。とにもかくにも、自治会長になってしまいました。

 

 

 自治会長になってまず思ったのは、やたらと地域の会合が多いということです。やれ自治会連合会だとか、防災関連だとか、地域の祭礼だとか、社会福祉協議会だとか…、とにかく多いです。そして初年度ということもあって、いずれにも顔を出すように頑張っております(いまのところは)。

 いままで地域活動のことなど全く興味関心もなく過ごしてきたのですが、いったい行政組織の末端ではない、自治会というものがどういう風に動いているのか、というのを学んでいる最中です。だいたい2週間に1度くらい(いや、それ以上?)往復はがきが届きます。この令和の時代に往復はがき?とも思うのですが、この往復はがきというメディアがもう高齢者率の高さを象徴しているような気がいたします。

 

 

 もともと町内会(現・自治会)は、いつからあるの?と思ったので、ネットで検索してみたところ…(その前身があったのかもしれませんが)制度としてはどうやら戦争直前につくられたもののようです。ネットで拾ってきた情報によりますと、1940(昭和15)年9月、に内務省の「部落会町内会等整備要領」という訓令により、「昔からの隣保共助の美風」に基づいて、村に部落会、町に町内会をつくり、その下に隣組を置くことを決めたそうです。この情報にたがわず、わが自治会の通帳の名義を新たに変更した際に、自治会の設立年月日を見たところ、1941年(昭和16)4月1日というように記載されておりました。

 

 

 自治会長になった経緯は、非常に単純で、毎朝毎朝、雨の日も風の日も近所のお婆ちゃんたちが、「自治会長になってくれんかね~」と来るからです(笑)杖を突いてくる人もいるし、障害者手帳を持っている方もいます。さすがにこんなことをやっていて怪我をされたり、健康を害されてたりしたら大変だとは思いつつ、断っていたのですが、それが長期にわたり…結局、三顧の礼を尽くされ、引き受けることになりました。まぁ高齢者にすべてを任せるのも本当に問題ですしね。そして自治会がどういう動きをするかということに関する興味もわたしの中で少しあったので…。ただ日々の業務はひたすらに面倒くさいです…(^_^;)

 

 市報の配布、清掃活動、苦情の電話、役員会、各種会議への出席…などなどが続きますが、まぁこれも業(カルマ)のひとつだと思ってやっております。そもそも、わたしは基本的に好きなように生きてきた人間ですので、何かしらのリソースを社会に還元しなければいけないだろうなぁとは思っておりました。40歳を過ぎたあたりから、自分は「人間」ではなく「公園」なんだ、というようなスタンスで生きていこうと思うようにもなりました。公園には大人も子どももいれば、猫や犬もいます。虫も鳥も来ますし、浮浪者がいつくこともあります。まぁそれもすべてひっくるめて「公園」。

 自分がリーダーシップを発揮するのではなく、公園の利用者が公園をよい方向にもっていってくれたらと感じております。公園はただ黙って場を提供するだけでよいのかな、と。できれば禁止事項もなく、木々が繁茂し、人々が憩うような公園になれればと思っております。

 

 そんな日々是好日です。